<aside> 💡 ポイント・論点
慣習国際法は、特定の兵器の使用を全面的に禁止する規則を含んでおらず、個々の兵器の使用方法のみを規制しています(不必要な苦痛の禁止の原則・目標区別原則)。他方、特定の兵器の使用それ自体を禁止する条約が締結されている場合には、条約当事国がその兵器を使用することは違法となります。
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https://graphics.reuters.com/UKRAINE-CRISIS/WEAPONS/lbvgnzdnlpq/
Are Molotov Cocktails Lawful Weapons? - Lieber Institute West Point
クラスター弾とは、一般に、内蔵する子弾を空中で広範囲に散布し、又は投下するように設計された通常弾をいう。イラク、コソボ、アフガニスタン、レバノン等で使用されたクラスター弾及びその不発弾が文民に大きな被害を与えてきたことから、その問題への対応について議論されてきた。
【2月25日:ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)】ウクライナ東部ドネツク州の政府支配下にある町の病院付近をロシア軍がクラスター弾搭載の弾道ミサイルで攻撃したとする調査結果を明らかにした。
以降の報告
2022年3月30日、国連人権高等弁務官(Michelle Bachelet)が国連人権理事会に対し、ロシアによりクラスター爆弾が24回使用されたことについて信頼に足る主張があること、また、ウクライナがクラスター爆弾を使用したとの主張について調査を行っていると報告。
2023年7月7日、米国バイデン大統領がウクライナにクラスター弾を供与すると発表。CCNジャーナリストのファリード・ザカリア(Fareed Zakaria)とのインタビューにおいて、バイデン大統領は「難しい決定(difficult decision)」であったことを告白。
各国から懸念(Canada, Germany, Italy, the UK, Austria, Belgium, Cambodia, Laos, New Zealand, Norway and Spain)
国連事務総長報道官は、事務総長がクラスター弾禁止条約を支持する旨を説明。
📢 Daily Press Briefing by the Office of the Spokesperson for the Secretary-General, 7 JULY 2023
7月13日にはウクライナが受領したと報道。
対人地雷や焼夷兵器などの通常兵器による民間人への被害を防ぐため1983年に発効した。
具体的に対象となる兵器の種類、規制については、兵器ごとに、条約に附属する議定書によって定められており、X線で検出できない破片によって傷害を与える兵器や、地雷・ブービートラップ、焼夷兵器など、5つの議定書が作成・締結されている。
2006年、CCWではクラスター弾に関する国際約束の作成に向けて交渉を始めることが提案されたが、米国・中国・ロシアなど、クラスター弾の主要生産国・保有国が参加していることも影響し、交渉開始は決定できなかった。