欧州評議会特設サイト

War in Ukraine

欧州評議会(CoE)によるロシア・ベラルーシに対する措置

国家間申立に関連する暫定措置

暫定措置の要請

2月28日、ウクライナは欧州人権裁判所(ECtHR)に対して、国家間申立(Ukraine v. Russia (X))との関連で、ロシア侵攻に関する暫定措置(仮保全措置)を要請していた(報道)。

暫定措置の命令

3月1日、ECtHRは①文民および民用物に対する攻撃を控えること、および②医療施設・医療要員・緊急車両の安全を確保することをロシアに求める暫定措置命令を発出した(英語プレスリリース同仏語)。

Today, the European Court of Human Rights has decided to indicate to the Government of Russia to refrain from military attacks against civilians and civilian objects, including residential premises, emergency vehicles and other specially protected civilian objects such as schools and hospitals, and to ensure immediately the safety of the medical establishments, personnel and emergency vehicles within the territory under attack or siege by Russian troops

ECtHR規則

Rule 39 – Interim measures

  1. The Chamber or, where appropriate, the President of the Section or a duty judge appointed pursuant to paragraph 4 of this Rule may, at the request of a party or of any other person concerned, or of their own motion, indicate to the parties any interim measure which they consider should be adopted in the interests of the parties or of the proper conduct of the proceedings.
  2. Where it is considered appropriate, immediate notice of the measure adopted in a particular case may be given to the Committee of Ministers.
  3. The Chamber or, where appropriate, the President of the Section or a duty judge appointed pursuant to paragraph 4 of this Rule may request information from the parties on any matter connected with the implementation of any interim measure indicated.
  4. The President of the Court may appoint Vice-Presidents of Sections as duty judges to decide on requests for interim measures.

暫定措置に関連した新たな措置の決定

3月2日 裁判所決定】ECtHRは1日に発出した暫定措置に関連した新たな措置に関して決定した(主に期限などの手続事項)。

3月10日 裁判所決定

暫定措置の「拡大」

個人申立に関連する暫定措置

暫定措置の命令

3月4日、ECtHRは個人申立との関連でも暫定措置も発出した(英語プレスリリース)。

ロシアの欧州評議会除名の影響

ロシアに対する他の関連する暫定措置命令

メモリアル・インターナショナル解散命令に対する暫定措置

欧州人権裁判所は2021年12月29日、最高裁が28日に同国で最も歴史が長いとされる人権NGOメモリアル・インターナショナルの解散を命じた事態を受けて、ロシアに対して仮保全措置(interm measures)を指示した。最高裁は、同団体の解散理由として、外国の資金援助を受ける組織に求められる「外国代理人(foreign agents)」の表示がウェブサイトなどで不十分であることが挙げられている。

ロシア人権団体に解散命令 旧ソ連の政治弾圧を記録

2012年に導入された外国代理人法では、海外から資金を受け何らかの「政治的活動」に携わっているNGOなどの団体が、「外国代理人」として登録する義務を課されている。しかし「政治的活動」を判断する基準はあいまいであることから、様々なメディアやNGOの活動が影響を受けているとの批判があった。2019年の改正では、外国メディアの情報をインターネットなどで伝える「個人」も外国代理人の範囲に含められることになった。

ロシア独立系メディアの現状とは【現場から、】

メモリアルの解散に対しては、ソ連最後の最高指導者ミハイル・ゴルバチョフに加えて、2021年ノーベル平和賞受賞者のドミトリー・ムラートフ(ロシアの新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」編集長)も批判している(同年にはフィリピンのインターネットメディア「ラップラー」のマリア・レッサ代表も選出)。

3月23日 TASS】ロシア最高裁判所がメモリアル・インターナショナルの解散を決定

ノーヴァヤ・ガゼータ紙への妨害に対する暫定措置

対ウクライナ事件の扱い

侵攻開始を受けて、ウクライナは自国が被申立国となっている事件の審理を停止するよう要請し、ECtHRは3月2日に次の措置を講じた(プレスリリース)。

3月31日、ECtHRはこれらの措置を引き続き適用すると決定した(プレスリリース)。