ロシアによるウクライナ侵攻により、紛争から多くの人々が避難した。ウクライナと国境を接する近隣諸国による受け入れを始め、国際社会の対応が急務となる。
避難をしている人の数や、その状態については、UNHCRが報告している。
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多くの国々が、国外に避難をしている人々に対する支援をロシア侵攻開始直後から表明している。声明のまとめ(国家承認・武力行使・併合)
ウクライナ出国目指すインド人やアフリカ人、国境で人種差別に直面と訴え 暴力沙汰も
避難民に適用可能な国際法
**難民条約(1951年)【難民の定義】**
1条A この条約の適用上、「難民」とは、次の者をいう。
〔1項省略〕
(2)
1951年1月1日前に生じた事件の結果として、かつ、常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって、当該常居所を有していた国に帰ることができない者またはそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを 望まない者。 二以上の国籍を有する者の場合には、「国籍国」とは、その者がその国籍を有する国のいずれをもいい、迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するという正当な理由なくいずれか一の国籍国の保護を受けなかったとしても、国籍国の保護がないとは認められない。人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者及びこれらの事件の結果として〔※打消部分は1967年難民条約議定書により削除。〕
難民条約上の難民(「条約難民」)は、1条A(2)下線部の事由による迫害の恐れがあるため国外におり、国籍国の保護を受けることができない者を指すため、武力紛争の発生により大規模に国外に逃れた避難民は条約難民に当たらないと説明されることが多い。
Andreas Zimmermann et al. (eds.), The 1951 Convention Relating to the Status of Refugees and its 1967 Protocol: A Commentary, OUP 2011, p. 370, para. 315
“under Art. 1 A, para. 2 ‘persons fleeing from armed conflicts are normally not to be considered refugees’. This is due to the fact that in armed conflicts a vast number of people, and indeed whole populations, might be affected by generalized violence not amounting to persecution taking place on the basis of one or more of the reasons mentioned in the 1951 Convention.)。
同様に、UNHCR, *Handbook on Procedures and Criteria for Determining Refugee Status under the 1951 Convention and the 1967 Protocol relating to the Status of Refugees「難民認定基準ハンドブック」も次のように説明する。*
- Persons compelled to leave their country of origin as a result of international or national armed conflicts are not normally considered refugees under the 1951 Convention or 1967 Protocol. They do, however, have the protection provided for in other international instruments, e.g. the Geneva Conventions of 1949 on the Protection of War Victims and the 1977 Protocol additional to the Geneva Conventions of 1949 relating to the protection of Victims of International Armed Conflicts.
国際的又は国内的武力紛争の結果として出身国を去ることを余儀なくされた者は、通常は、難民条約又は議定書に基づく難民とは考えられない。しかしながら、これらの者はその他の国際文書、例えば戦争の犠牲者の保護に関する1949年のジュネーブ諸条約及び国際的武力紛争犠牲者の保護に関する1949年ジュネーブ諸条約に追加される1977年の議定書に規定する保護を受ける。
ただし、外国に占領された地域において占領国から上記下線部の事由により迫害を受ける恐れがある場合には、その者は条約難民に当たり得る。
- However, foreign invasion or occupation of all or part of a country can result – and occasionally has resulted – in persecution for one or more of the reasons enumerated in the 1951 Convention. In such cases, refugee status will depend upon whether the applicant is able to show that he has a “well‑founded fear of being persecuted” in the occupied territory and, in addition, upon whether or not he is able to avail himself of the protection of his government, or of a protecting power whose duty it is to safeguard the interests of his country during the armed conflict, and whether such protection can be considered to be effective.
もっとも、条約難民に当たらない避難民を国が自発的に受け入れることは国際法上全く妨げられない(日本の入管難民法50条による法務大臣の特別在留許可など)。
The Legal Obligation to Recognize Russian Deserters as Refugees
Why EU Countries Should Open Their Borders to Russian Draft-Evaders
国連人権委員会(人権理事会の前機関)の特別手続として任命された事務総長代表の元で作成。
事務総長代表を引き継ぎ特別報告者が人権理事会特別手続のもとで任務を遂行。
指導原則20周年を記念してまとめた2018年報告書では、その実施に向けた「戦略的共同行動のためのアジェンダ」が提示されるとともに、同指導原則が国内平面において、立法・政策・裁判に取り入れられただけでなく、証拠・統計上の資源を改善し、人権意識を向上させ、国内人権機関および市民社会の役割を強化すること、また国際平面においても、地域的人権条約制度において参照され、国連人権保障制度や国連難民高等弁務官事務所の活動に影響を与えてきたことなどが紹介されている。
EU一時的保護指令の原文👇
**Council Directive 2001/55/EC of 20 July 2001 on minimum standards for giving temporary protection in the event of a mass influx of displaced persons and on measures promoting a balance of efforts between Member States in receiving such persons and bearing the consequences thereof**
説明図:European Union: Factsheet
ウクライナからの避難民受け入れ、政府が積極姿勢...連帯アピール : 政治 : ニュース
3月4日、ロシアによるウクライナ侵略を踏まえた対応として、「ウクライナから日本への避難民(evacuees)の受入れの推進」を決定。
【3月8日TBSニュース】ロシアの侵攻が続くウクライナからの避難民について、古川法務大臣は岸田総理が受け入れを表明して以降、「8人を日本に入国させた」と明らかにしました。
【3月11日 全国難民弁護団連絡会議】ウクライナ、ロシア出身者の迅速な保護等を求める声明 ****
【3月15日 NHK】ウクライナ避難民支援 日本でできること
【3月20日 東京新聞】ウクライナとミャンマー、避難民受け入れ、なぜ差があるの? 入管、政治や経済に目配せ「同じように助けて」
【3月25日 難民支援協会】ウクライナ難民の受け入れから考える ー より包括的で公平な難民保護制度とは
【4月7日 時事通信】政府は、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、難民条約上の狭義の「難民」に該当しない紛争避難者らを、「準難民」として保護する制度の創設を急ぐ方針。昨年廃案になった入管難民法改正案に盛り込まれており、夏の参院選後に想定される臨時国会での再提出を目指す。
児玉晃一「『ウクライナ避難民』を口実に入管法案を再提出するなら火事場泥棒だ――新制度は不要。国際基準に沿って『難民』に認定を」『Web論座』2022年4月10日
イギリス、ウクライナ難民受け入れ制度発表 住居提供の家庭に月5万円超の謝礼 - BBCニュース